カレーの話

カレーライス、ライスカレー・・・ 

嫌いな人はいないかもしれない。

子どもから大人まで、大好きなカレー。

僕も大好きだ。

僕の母は、調理師や栄養士の免許を持っていたからか、とにかく料理が得意だった。

カレーも市販のルーを使わない、香辛料と小麦粉だけで作る本格的なカレーだった。

僕は子供の頃から『味見役』専門だ。料理が好きになったのもそのせいかもしれない。

『東京ってすげーなー』

そう思ったのは、美術館の多さと、おいしいカレー屋さんがたくさんあったことだ。

最初に驚いたカレーは、もうなくなってしまったが、兄に連れられて行った赤坂見附の『ザ・タージ』のカレーだ。

ここではじめて『カレー』てはない『カリー』の美味しさを知った。

それから僕の『カリー巡りの旅』が始まった。

上野広小路から春日通りに入ったところの『デリー』、神田駅ガード下の『ふくてい』、紀伊国屋書店の地下一階『サラサラカレー』、銀座四丁目『煉瓦亭のカツカレー』

今ひいきにしているのは、銀座五丁目にある『オールドデリー』だ。

こりゃデリーシャスだ、と感じたのは、丸の内『東京會舘プルニエ』のカレーだ。ここも絶品だ。

帝国ホテルをはじめ、箱根富士屋ホテルなど、高級なホテルのカレーもひと通り頂いたが、『また来よう!』と、思ったホテルのカレーは無かった。

NETの評判やTVでの紹介は、あまりあてにしないほうが良い。

『孤独のグルメ』で紹介された麻布のカレー屋さんは、こ洒落てはいるが、銀座のカレー屋には及ばなかった。


さて、じつは、妻の作る『カレー』が絶品だ。

料理は間違いなく僕の方が得意だと思うが、

『カレー』だけは妻にかなわない。

『奇をてらわない』とは、こういう時に使うのかもしれない。

とにかく美味しい。

何種類かの市販のルーを合わせて、三枚肉、旬の野菜、その上、僕が買い揃えた香辛料を少しずつ加えているらしい。

市販のルーの恐ろしいほどの美味しさを引き立てつつ、オリジナリティもスパイスる。

見事である。

僕の作る『カリー』は、子どもたちにぜんぜん人気がない。

僕のカリーは市販のルーを使わない。これは母親ゆずりだが、母親のは『カリー』ではなく『カレー』だった。

香辛料と小麦粉をこれでもかってほど炒めて、それをベースに手羽元、ズッキーニ、茄子、人参、じゃがいもを煮込む。

けっこう手は込んでいるが、あまり人気がない。


いろんな『カリー』を食べてきたが、じつは、15年ほど前までつくばにあったスリランカカレーの店『スリ・ランカ』が、僕の中の『No.1』てある。

いつの間にか閉店していた。

あの味が忘れられない・・・


東京からつくばに移り住んで、『東京に勝った!』と、思えたことがいくつかあった。

『スリ・ランカのチキンカリー』『コーヒーファクトリーの珈琲豆』『モルゲンのバターハースと食パン』『マルゲンミートのお肉』『叶家のシュークリーム』そして『筑波大学の図書館』だ。

マルゲンミートと叶家は、先代が亡くなり、モルゲンはパンを焼く日を減らしている。

季節は爽やかな『晩春』だというのに、思いは『晩秋』。

少しずつさみしくなっていく・・・




 



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