時代
懐かしい思い出が、少しずつ、すこしずつ、
無くなっていく。
首都高速の中で、僕がいちばん好きだった場所、それは東銀座出口から汐留に抜ける道路だった。
首都高速につながっていながら、そこの区間だけは「東京高速道路」といって首都高とは別の道路。
皆さんは通ったことがありますか?
銀座のど真ん中を通るのに、ほとんど車が走っていない高速道路。
左に銀座の街を見下ろし、しばらくすると右手に旧マリオン、宝塚劇場、帝国ホテル、そのままコリドー沿に走り、銀座8丁目で降りる。
銀座1丁目から銀座8丁目までのたかだか1分間程度の至福の時間だった。
その「東京高速道路」が、昨年、廃止になってしまった。
廃止直前、妻とパジェロで思い出をたどった。
銀座の街が好きだ。
行きつけの店が何件かある。
レストラン、鮨屋、洋食屋、カレー屋、甘味屋、洋食器のショールーム・・・
あづま通りの若松がなくなり、お汁粉が食べられなくなったのは、かなりのショックだった。
心を落ち着かせてくれたノリタケのショールームも閉店し、山野楽器ではCDもDVDも置かなくなった。
時代か・・・
ほんの10年前は、なんとなく街を歩く人たちが華やかだったような気がする。
夏でも短パン、サンダル履きは見かけなかった。
ハンカチは和光の婦人ものが好きだった。
最近は、ガーゼハンカチが主流らしい。
これも時代か・・・
最後に気に入ったハンカチは、使わず額に入れた。
なんだか、愚痴っぽくて、自分でも情けなくなってきちゃったな。
それでも僕は銀座に通う。
銀座には昔と変わらない銀座の「匂い」が残っている。
声をかけてください。
ご案内致します。



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