コンクール組、お疲れさま
昨日(4月4日)、東京新聞主催全国舞踊コンクールが無事終了した。
このコンクールを目標にして、みんながんばってきた。
お疲れ様。
まず、とてもレベルの高いコンクールだった。
そのなかで、現代舞踊第一部(成人の部)で9位、ジュニア部(中高生の部)で入選、
現代舞踊部門第二部(小学生の部)で入賞はお見事。
入選できなかった生徒、1年目の生徒、長い期間の稽古によくついてきた。
ただ、入選、入賞している生徒は、やはり、稽古への取り組み方が違っているような気がした。
優れた見本が目の前にいるのだから、本気で舞踊技術を伸ばそうと思うなら、もう一度しっかりと自分を見つめよう。
そして、児童舞踊部門第二位は、ご褒美みたいなものかな・・・
エントリー全作品同じ席から観せてもらったが、一人ひとりの技量を比較すると、まあ、いいとこギリギリ入賞というところかな。
ただし、舞踊技術が低いのは、じつは君たちのせいではない。僕たち指導陣の力不足なのである。
逆に君たちに謝罪しなければならないのは、僕たちなのである。
まあ、第二位というご褒美をこれからの力にしような。
あらためて、おめでとう。そして、お疲れ様でした。
さて、コンクール期間中、本業である設計事務所の仕事で、台東区の区役所と保健所で打ち合わせがあったものだから、久しぶりに東上野に降りた。
区役所との話し合いから次の話し合いまで2時間ほど空いてしまったものだから、コーヒーでも飲もうと街を歩いた。
ちょっと、あやしげな喫茶店があった。
怪しげだが、こういう店に惹(ひ)かれてしまう性格である。
玄関のドアといい、日よけといい、
「昭和」だ。
気の小さい僕だが、勇気を振り絞ってドアを開けた。
驚いた。
お客さんは、すべて常連さんのようだ。
常連さんがいるからこの店があるのか、
この店があるから常連さんが通うのか、
いずれにしても良い雰囲気だ。
「いらっしゃい!」と、チャキチャキしたママの声。
その横で、そこそこ年配のご婦人が、手際よく料理をつくっている。
「コーヒーお願いします」
「はい!」
と、明るく爽やかな声。
ますます気にいった。
コーヒーを待ちながら、役所で打ち合わせをした内容をカウンターで清書していると、
今、お店に入ってこられた年配のご婦人が僕の隣に座られた。
やはり常連さんだ。
ひとしきり、ママと何やら話をしたあと、僕に話しかけてきた。
「あんた、仕事?たいへんだねえ。どこから来たの?」
「茨城です」
「ありゃー!」
茨城はありゃー!なんだな。
「じゃあ、帰りに浅草寄っていきなよ。」
「そうですね、少し前までは、ちょくちょく行ってたんです。好きなせんべい屋があったものですから」
「入山せんべいかい?」
「ええ」
「残念だよね、閉店しちゃってさあ。でも、浅草の松屋で今でも売ってんだよ」
「ええ、ただ、炭火じゃなくて、今は工場でガスになっちゃったんですよね、それでもおいしいですけどねー。」
「ありゃー、あんた、茨城なのに入山通ったんだね」
茨城、茨城って、そんなに茨城は「ありゃー」なのかな。
「じゃあ、薬研堀(やげんぼり)によっていきな!」
「ええ、じつは僕、若い頃から薬研堀の中辛つかってんです。」
間髪(かんはつ)入れずご婦人が
「そう!薬研堀は中辛よ!」といって、僕を指さした。
その仕種が、いかにも江戸っ子風で切れがいい。
「じゃあ、そこの七味アイスは食べた?」
「いえ」
「寄ってきなさい!」
「じゃあ、近々必ず行ってきます。」
「ほんとよ!」
そうこうしているうちにほどよい時間になったので、会計を済ませ、ご婦人に一礼して帰ろうとしたとき、
「あんた、アイス、報告に来なきゃだめだよ!」と。
「また寄せていただきます。」と、笑顔で。
最後に最大限の褒め言葉を頂いた。
「あんた、若いのに粋(いき)だねー!じゃあ、またね!」
「うれしいですねえ」と云って店を後にした。
若いのに・・・
あの年配からすれば、まだまだ
「はなたれ小僧」なんだろうなあ。
「てやんでー!」
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